自転車泥棒 呉明益 ①
『幸福自転車に乗って、幸福の道をどこまでも』
幼少期に父と共に消えて行った『城中幸福自転車』。
その行方を辿る過程で知る、かつての所有者達の記憶。蝶捕りの少女、ビルマの山中で生きながら朽ちていく兵士、徴用された象達・・・。
かつて一時期日本と『命運』、『運命』を共にした台湾の記憶と記録が眼前に浮かんでは消えて行く。
国際金融資本の生み出した厄災に翻弄された人々の鐵馬(テイーベ)を介して綴られる物語。
今尚彼らが次々生み出す厄災に苦しめられる我々としてもこの広告コピーをつぶやいてみたくもなるのである。
『幸福自転車に乗って、幸福の道をどこまでも』